日曜の夜はニュースのフローが最低なんで、BBCを見ていたらオーストラリア首相の“英国からの児童移民”に対する謝罪演説が始まった。首相のスピーチは涙を誘いながらもいいタイミングでユーモアも交え好感がもてた。
英国やアイルランドの孤児や片親の貧しい子供達が、教会等を通して働き手の少ないカナダやオーストラリアに送られたという話は聞いた事あった。オーストラリアに関しては、1930−1970年にかけて、50万人もの子供達が送られて来たそうだ。 オーストラリアに着いてからは施設に入れられたり、里子に出されたりした。教会が絡むと想像がつく様に、精神的虐待に留まらず、肉体的/性的虐待を受けた子供達が多かった。子供達はまともに教育を受ける事も出来なかったらしい。
この問題に関しては、アボリジニーに対する差別政策と違い、白人同士のことであり、最近まであまり浮上しなかった。暗い過去を持つ本人達しか知らなかった(彼らを虐待した当時の大人は既に死んでいる)、というか政府も知らないふりをしていたのだろう。子供の頃の悲しい思い出に引きづられて生きるのは並大抵の事ではない。虐待されても守ってくれる大人もいない。今回の首相の謝罪は、この様な暗い歴史が公に認められたという事で、被害者たちも心の傷を癒すに至らないが、辛い過去に対するクロージャーという効果があったかもしれない。英国のブラウン首相も来年初頭に同様な謝罪スピーチを予定しているらしい。
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