Friday, May 14, 2010

ルパート・マードックの罠、ソフトボールとレズビアン

Wall Street Journalがルパートに買収されて以来、従来右寄りであった本誌が本格的に右翼のプロパガンダに使われている。

オバマの指名した最高裁判事候補のエレーナ・ケイガン、申し分のないレジメ、強いて言えば裁判官の経験が無い事。しかし、これは前例が無い事ではない。彼女は現役の訟務長官である..という事は、このポジションに付くため上院の承認を通過しており、数名の共和党議員の票も受けている。それゆえ共和党側は、前回のソトマヨール氏の時の様に大声で反対する事が少し難儀。

そこで登場したのが、'“彼女はレズビアンじゃないか”という噂。手始めに、WSJの第一面のこの写真。
Elena Kagan

ゲイ・ブロガー達は、“この写真は、ケイガンがゲイである事を示唆するために仕込まれた”と抗議しメディアに飛び火。その勢いでルパートの傘下のNew York Postが”ケイガンはゲイ?”なんていう大きな見出しの記事を出した。その記事の横には、ソフトボールをやる女はレズビアンだというエッセイまであった。仕上げは同じく傘下のFox Newsに大騒ぎさせる。メディアはルパートの罠にまんまと嵌った。

彼女のタイプ(ショートヘアの未婚のインテリ)は、残念乍らわれ易い。プリンストン時代からの知り合いのエリオット・スピッツァーは彼女はそうじゃないと知ってると...と名乗りを出ている。でも、こういう噂に火がつくと、消すのが非常に困難。

Colbert Reportでもルパートの巧みなメディア操作がジョークになっていた。


The Colbert ReportMon - Thurs 11:30pm / 10:30c
Confirming Elena
www.colbertnation.com
Colbert Report Full EpisodesPolitical HumorFox News
さて、今日の噂はホワイトハウスはケイガン氏に"あんたゲイ?”って聞いたという事(ワシントン・ポスト)。とはいえ、ハッフィントン・ポストによると、ケイガン自ら”私はゲイじゃない”と申し出たらしい。

アメリカは、まだまだ保守的。聖書がゲイはダメと言うから、ゲイはダメという人が過半数。そういうドグマが許せない私は、最高裁の9人の判事の内一人くらいゲイがいたって何が悪いと思うんだけど。こんな事だから共和党に隠れゲイが鈴なりなのよ。

ところで、何故レズビアンとソフトボール?て事だけど。私も初耳。色々読んでいると、ソフトボールはレズビアン達の好きなスポーツと言われているらしい。

下院の名物議員、バーニー・フランクは自分がゲイである事を公にしている。あるレポーターが“あんたゲイ?”と聞いた時"だから何?”と言い返した。まあ彼はリベラルなマサチューセッツの議員だから、こういう開き直りが寧ろ受けるんだろうが。

こういう嫌らしいメディア操作が可能な空気と、"ゲイの何が悪い”と言い返せない弱腰な民主党...この国はまだまだ精神的な後進国。


2 comments:

F Fries said...

sexual orientationのことでスピッツァーに何か言ってもらっても、残念ながらプラスにならないんじゃないでしょうか?

ももせ said...

そういえば、SATCでミランダの同僚が彼女をレズビアンと勘違いしてレズの友人を紹介した場所もソフトボールの大会でした。やはりソフトボールとレズビアンという組み合わせは都市伝説みたいなものでしょうか。