Sunday, April 26, 2009

100 Days その2 市場編、Surging Optimism


オバマが就任してから、3月の初旬まで、市場は20%急落。現時点で就任当時のレベルまで回復(アップルは40%回復)。


金融関連の不透明感、危機感、大恐慌の不安、決算報告等のマクロ的な理由はあったが、もっと大きな理由は、オバマの市場に対する対応。この頃までは、ウォール・ストリートは庶民の敵の様な発言が目立った。日々の株価の変動には感心ないとか...又、財務長官のガイトナーも具体案を提示出来ず叩かれ、オバマの経済救済案も即効性がないと批判され、ダウが下がるのはオバマの責任と右派は興奮状態。

市場参加者は心はリベラルでも、頭は”フリーマーケット”指向の共和党的な人が多いのが事実。NYSE等のフロアー・トレーダー等、南部の白人より共和党支持が圧倒的。毎日の様に、”オバマ虐め”の如くマーケットを叩き落し、変な満足感さえ漂う状態。

ところが3月の初旬、マーケットが底つく2日程前、オバマが”そろそろ株は買い時”宣言。アメリカの庶民もペンションや401K(老後のための積み立て投資)等で、株式市場に関与しているという事に気が付いたのかもしれない。雇用関連以外の経済指標も少しづつ安定。大手銀行も前四半期には黒字転換。

下のチャートは恐怖指数(Volatility Index)。11月には80まで上がり、最近は30台後半まで落ち着いた。ただし、恐怖指数が30+というのはまだまだ高く、正常にマーケットがワークする状態だと10から20程度で推移するもの。


とはいえ、市場の取引ボリュームは未だに低い。極端な話、市場参加者は、トレーダー(ヘッジファンド)やプログラム・トレーディングが殆どを占め、長期的な投資家が参加していないという事。そんな具合だから、毎日ダウが3桁の変動。投資家はこのラリーを信用していない。その内大きく急落すると決めてかかる、にも関わらず毎日上がるもんだから、増々乗り遅れるのだろう。

ここで評価したいのは、オバマのラーニング・カーブ(学習曲線)。オバマは経験という面で少し不安があったものの、間違いをしても、学んで一層成長する。ガイトナーも同じ。初めの1ヶ月と最近のスピーチを比べると別人の様。

次の100日は、具体的な政策の効果が問われる...”show me the money"という感じで。




Saturday, April 25, 2009

100 Days その1

オバマ政権が発足してから、早くも3ヶ月以上になる。
出来映えは? 

このアンケートが客観的な回答。
質問:この国の方向感、良い方に進んでいる?

去年の10月:31%
2月:40%
直近:48%

失業率は毎月うなぎ登り( Millions)、銀行救済もまだまだ不透明($Billions)、国の負債も莫大($Trillions)。経済の安定化の兆しが見えてはいるが、大恐慌は逃れたかもという安堵感のみ。

オバマの支持率は67%以上と好調。アメリカ国民は、一部の共和党ベースを除けば一応”この大統領なら大丈夫、彼の政策には全て賛成出来ないけど、前向きで好感が持てる”というのが一般市民の意見。

左寄りの政治オタクの私は、共和党の弱小化、知性派/穏健派右派の反応を注視。共和党のリーダー達は、一層低能化(民主党法案には全て猛反対、反面独自のアイディアは全くなし)、知性派はじりじりと逃げ腰である事も否定出来ない事実。共和党は、オバマを、社会主義者呼ばわりしていたが、最近路線を変えて、ファシストと呼んでいる。

反面、知性派リベラルはオバマは中道すぎると、手厳しい批判をしている。特に、ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマンは、毎週オバマ批判記事を書く。まあ、これはよくアメリカで言われる”Tough Love"に過ぎないと思う。愛するが故、厳しく振る舞うというニュアンス。

外交面でも、ベネズエラのチャベスと笑顔で握手したり、サウジの王様にお辞儀した程度の事で、共和党は大騒ぎ。15才のガキじゃあるまいし。オバマは古い力の外交から、進歩的な大人の外交へ移行する基盤を、この100日間で築いた。ブッシュ政権下、アメリカは外交面で、忌み嫌われ、ブッシュはどこへ行っても抗議デモの出迎えを受けた。まあ、インド、中国、日本等、自由貿易を必要とする輸出国は、ブッシュや共和党の方が都合がいいのだろうけど。



景気、外交、社会問題等、何一つ解決していない(当たり前だけど)とはいえ、全ての点に於いて、楽観視の基盤をしっかり築いた事は評価されるべき。新政権は、頭脳明晰集団。きめの細かいバアランスのとれた戦略も、国民の自信に繋がっていると思う。


Friday, April 24, 2009

オバマのジレンマ/水責め拷問

今、オバマを悩まれているのは、ブッシュ政権時代の非合法尋問の責任追及問題。 オバマは、経済や国家財政等、今直面している問題の解決に専念、この件は避けたかったというのが本音の様です。“水責め”メモが公になった以上、対処の必要性を迫られ、この問題は暴走してしまい、オバマもコントロールが出来ないのが現状。

拷問に関与した、CIAの職員の責任は問われないと、オバマは公言。ただし、前政権で、水責め等の拷問を許可した閣僚の訴追をどこまでするか? 左翼は、けじめを付けるべき、ブッシュ政権の責任追及を要求。右翼側は、水責めは必要悪、同時テロ以後アメリカが安全なのは、この様な手段を使ったためだと主張。

法的には、水責めは非合法。モラル的には最悪。専門家によれば、拷問は効果的でないどころか、でたらめな情報を得る場合が多い。

リベラル系は、太平洋戦争中、日本軍が水責めをアメリカ兵捕虜にした例があり、当事者の浅野という軍人は16年の禁固刑になったという事実を例にとり、ブッシュ政権の閣僚も戦犯だと主張。

このビデオは、ブッシュのイラク戦争を支持した著名なジャーナリスト、クリストファー・ヒッチンスが実際水責めを自ら体験、”やっぱり、拷問だな”と実感したものです。






Saturday, April 18, 2009

アップルの武器、軍事アプリ

iPhone、iPod Touchのアプリが、最近では軍隊で応用されているという記事が、来週号のNewsweekにありました。

アラブ語の翻訳アプリは、今やアメリカ軍が占領していると同然のイラクで、現地の人々とのコミュニケーションを円滑いしている...というのは想像できます。ところが、スナイパー用の距離の計算機や、爆弾排除ロボットのリモコン・アプリまで登場。また、パトロールしている一帯の写真と、容疑者のデータベースを連携させるアプリ。






医学界でも、少なくとも10人に1人の医者がMRIや処方箋関連アプリを利用しているそうです。特に大きな病院で働く医師には重宝されているとか。


Wednesday, April 15, 2009

今日のyoutubeセンセーション

今日は、このビデオがアメリカ中を駆け巡りました。



イギリスの”Britain's Got Talent"、スター誕生の様な番組。このど田舎から来た妙に茶目っ気のあるおばちゃん、47才のスーザン・ボイルさんというのですが、歌い出すと天使の様な声.
意地悪な批評で有名なサイモンも笑顔を隠しきれず、観客にも大受け。

2年前、同じ様な事がありました。この人は、ポール・ポッツさんという冴えない携帯のセールスマン。このビデオは彼の初のオーディションですが、私も泣けてしまいました。もちろん彼は優勝、プロとなりCDも出しました。おばちゃん、どこまで頑張るか、応援したいものです。




Tuesday, April 14, 2009

オバマ犬デビュー

今日の一番の話題は、オバマ家の犬”ボー”のお披露目でした。
この犬は、生後6ヶ月のポルトガル・ウォータードッグで、ケネディ上院議員からのギフトだそうです。

私は、シェルターからレスキューしてくれる事を望んでいましたが、ケネディ家が絡むと”イヤ”とも言えないでしょうし。ちゃんとトレーニングも終了とか。シェルターの犬は、初心者には難しいかもしれないし。ビデオを見ると、やっぱり子犬らしく、オバマの娘を引っぱり回しています。



Monday, April 13, 2009

キューバ 新しい進展

こんなに速いテンポで、キューバとの関係正常化が進むとは...正直驚いています。

今日、ホワイトハウスは、
−親戚訪問の為の渡航の許可。
−親戚への送金の上限撤廃。
最も驚いたのは、米テレコム企業による、衛生、ラジオ・テレビ等のサービス解禁。

フロリダに住むコンサバ系のキューバ人達は、この様な動きを面白く思っていない様です。彼らは、徹底的に共産主義を嫌っているのです。反面、アメリカ人の71%はキューバとの正常化を望んでいるのが現状。また、新しい世代のキューバ人は、リベラルに移行している傾向あり。

キューバは過去半世紀、経済制裁のためインフラがストップしたまま、50年代のアメ車が今でも走っているのは有名です。キューバは、ニッケルや海底油田も豊富であり、中国は積極的に経済的コントロールを推進。ここらで米国が介入しないと、結構危ないかもしれません。 

この動きの一因には、不況も関与していると思います。キューバが開けば、アメリカの企業の活性化に繋がります。なんか、資本主義の崩壊が、共産主義のキューバとの関係正常化に寄与するなんて皮肉だと思いませんか? チェがあの世に行ってから、丁度40年経ちます。今後の展開が楽しみです。



Friday, April 10, 2009

日本食の調達

この付近には、日本食材を調達出来る店が二つ。今日行ったのは、タンパのダウンタウンにある中国系のスーパー。古い倉庫の様な建物に、中国系東南アジア系中心に品数豊富。基本的な日本食材も手に入ります。

今日は、イカと鴨の首(うちのワンちゃん用)の調達が目的。あと、大根とかクレソンとか普通のスーパーより安い。そろそろ暑くなって来たので素麺も...と思ったんですが、どれも中国製。安いのはいいけど、なんか賞味期間切れみたいな感じだし...とおもったら、こんなのがありました。五穀豊穰なんて書いてあるので、ちょっと怖いけど買ってみました。



このお店には、アジアの様々なインスタント麺(怪しげな)やスパイス類も豊富。奥には、漢方薬や、お茶があります。 客は殆どが東洋系ですが、このお茶のコーナーでは。物好きなアメリカ人をよく見かけます。


この店には、気味の悪い食べ物が豊富です。とはいえ、鴨の首をどっさり買ったら、レジでお姉ちゃんに、不思議がられました。


Thursday, April 9, 2009

明日はイースター(復活祭)

イースタ=は十字架にかけられて死んだキリストが3日後に蘇った事を記念する祭日。
アメリカの風習としては、子供達の卵探し(卵から雛が生まれるのをキリストの復活と関連させたもの)や、ウサギにまつわるもの(ぬいぐるみやチョコレート)等。信仰深くない我が家の習慣はこれです。




Sunday, April 5, 2009

不況とマリワナ合法化

オバマが大統領になった事と不況を背景に、最近マリワナの合法化が真面目に語られる様になりました。どうせ、多くのアメリカ人がマリワナ吸ってるんだから、合法化して税金払わせろという論理。

先日オバマが、 オンラインで国民との公開Q&Aをするという試みを行った時も、マリワナの合法化の質問が圧倒的に多かったそうです。 オバマの回答は、マリワナの合法化が経済回復にプラスになるとは思わないと. 適当にごまかされたというのが合法化支持派の反応。

アメリカ西海岸の州は、マリワナの医療的使用は合法。ところが、連邦法で禁止されているため、ブッシュ政権下、癌末期患者がマリワナ所持で逮捕された事実もあります。

私の意見? いろいろ懸念材料もあるという感じです。アメリカ人は自制能力に欠けています。そんな子供みたいな連中が、合法化されたマリワナを吸い出すと、まず生産能力の低下が考えられます。マリワナによる食欲増進作用により、現状以上の肥満の増加も怖いし。

私が興味があるのは、麻のECO効果。
麻の燃料、繊維、食料としての用途を見直す時期が来ています。木を伐採したり、石油を原料としたプラスチックよりは、ずっと地球に優しいと思いませんか? 



Saturday, April 4, 2009

新聞が消える日?

ご心配なく、これはアメリカの話です。
アメリカの新聞社が次々に倒産しています。
原因は2つ、インターネットの普及で無料で新聞サイトにアクセス出来る事(iPhoneがあれば、何時でも複数のニュース・フィードのアクセス可能)、それと不況(広告収入の激減)。

アメリカは、新聞社がよりローカライズされており、全国紙はWall St. JournalとUSA Todayのみ。有力紙はNew York Times, Washington Post, Chicago Tribune, LA Times等ですが、シカゴの有力2紙は破産申告済。Boston Globe(NY Timesが所有)も危ないそうです。

地方の中小新聞社が廃刊すると、どういう弊害が起るでしょうか? 地方の政治家による汚職が放置された状況になり、政治腐敗が増大する事。現状は、地方の記者達の地道な努力で、ある程度チェックが機能。民主主義の一大事だと思います。





Thursday, April 2, 2009

G20 - 歴史的な出来事

経済対策が焦点の今回のサミット...とはいえ、米露の核軍縮合意は歴史的な出来事だと思います。軍事大国が核の保有を1/3削減、これに見習って他の保有国もフォローにてくれると世界はもっと住み易くなるでしょうね。

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グルジア侵攻以来、米露関係は多少硬直化、アメリカのタカ派は新冷戦なんて息巻いていました。そんな折、核軍縮の対話が再開するのは大きな進歩です。

オバマとメドベージェフ、結構共通点があります。共に40代であり、法律学者、おまけにMacユーザーでもあります。メドベージェフなど、Deep PurpleやSabbathを海賊版で聴いて育ったという逸話もあり。共に新しい世代のリーダーとして、”out of box"な外交を展開してくれるのではないかと期待。

因に、仏大統領サルコジがまた大胆な発言をしました。アングロ・サクソンの経済モデルは終わったと。これを受けて、また共和党の連中が"社会主義のフランス野郎はとんでもない”と怒っていたのがコミカルでした。