Saturday, July 11, 2009

Algorithmic Tradingの脅威

Algortithmic Tradingとは、日本で一般的にシストレと言われるものに近い。アメリカでは、Quants, Robo-Trade, High Frequency Trade, Black Box Tradeと呼ばれている。

ここで問題視したいのは、そのボリュームである。例えば、NYSEに於けるAlgorithmic Tradingは5割から6割に達している。その内の6割がゴールドマン・サックス。という事は、彼らのボリュームは全体の3割以上ともいえる。しかも、成功率の高いプログラムは皆が真似るのであり、大手のファンドは皆似通ったプログラムを使っている。大手ファンドのプログラムのパターンにおんぶする連中も実際多い。

この様な、大量且つ迅速なトレードは、勿論、市場に流動性をもたらすという点で必要である。それでも、この圧倒的なボリュームは、市場を自由自在に動かせるというのは、誰も語りたがらない事実。

株式市場は3月に底をつき、急上昇したものの、6月7月と不調である。投資家が戻らない。これは、景気の先行き不安以上に、市場に対する信用が欠如しているからでもある。市場の警察であるべきSECは後手後手、しかも自分たちの将来の雇用者である大手ブローカーの機嫌を損ねたくない。また、洗練されたシステムを理解する程有能でもない。

先週末、ゴールドマンの極秘プログラムを盗んだとされる元社員が捕り、少し話題にはなったが、こんな話をすると”あんたは陰謀論者だ”で片付けられるのがオチ。

しかし乍ら、最近”Zero Hedge"というブロガーが精力的に、ゴールドマンや政府にチャレンジしている。彼らはかなり高度な知識があり,内部事情も理解している様である。最近、彼らはゴールドマンが顧客のオーダーを利用して、そのトレードが実行される前に、相場を動かしているという事実をすっぱ抜いた。 これはFront Runと呼ばれる操作...多分法律に触れないんだろうけど。

ゴールドマンは、能力があるから勝ってきたわけで、競争相手が殆ど死に絶えた今、彼らに圧倒的な影響力があって当たり前。政治家は企業の味方というのは、今に始まった訳じゃない。ただ、ゴールドマンの存在が、イスラエルの核兵器の様に暗黙の了解という状況になっており、メディアも怖がっているのがおぞましいのである。


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