Thursday, July 2, 2009

David vs. Goliath (ゴールドマン・サックス陰謀説)

陰謀説(Conspiracy Theory)といえば、ケネディ暗殺や、月面着陸偽装等が頭に浮かぶが、最近ゴールドマン・サックス(GS)陰謀説が頻繁に語られている。

GSが実はアメリカやヨーロッパの政治経済を支配しているという説。この話になると、右翼も左翼も仲良しになる。私は、半信半疑であるが,面白くて仕方がない。

GSに真っ向から挑戦した奴がいなかった(ブロガーとかは別として)。そこに、政治評論家として人気のあるMatt TaibbiがRolling Stone誌にGSの悪事を暴く記事を書いた。彼は、3月頃から金融崩壊に興味を持ち(彼は経済に関しては素人と自認)、”The Big Takeover"という記事でAIG救済を採上げ高い評価を受けていた。

最新の記事のタイトルは”The Great American Bubble Machine(リンクは記事とビデオ)"。


この記事では、GSは吸血イカでとかバブル・マフィアと例えられ、どの様に今世紀に起ったバブルをクリエートしたかが焦点。
  • インターネット・バブル:利益を出せないガラクタのスタートアップをどんどんIPOさせた。
  • サブ・プライム・バブル:値打ちのない住宅ローン債権を売りまくり、裏で空売りしまくった。
  • 商品先物:去年のオイルの高騰はGSとモルガン・スタンレ−の仕業。
又、GSはOBを政界に送り出し、ワシントンを実質牛耳っている実情。

Mattの記事に対し、GSのPRが返答した。これが傑作で、完全にガキ扱い...例えば、単なるGS陰謀説の蒸し返しだとか、あんたは複雑性を理解しとらん、ローリングストーンはオールマンの記事でも書いていればいいとか。たた、Mattの記事の内容を具体的に否定した訳ではない。Mattは反論してみろと啖呵を切った。

私の見解。GS陰謀説というより、GSの影響力が強くなりすぎたという事。去年までベア、メリル、リーマンがまだ健在の時、私はよく”5 White Boysの寡頭制”なんて言ってた。それが、2社だけ生き延びた。私が一番懸念しているのは、GSのプログラム・トレーディングの圧倒的なボリューム。他社を大きく引き離しており、市場を独占的に操作出来る事。当然他社もGSのプログラムを真似る。

もう一点、AIGを救済したのは究極的には、GSを危機から守るためだったと思う。GSはAIGから$12 Billion受け取り、TARPの$10 Billionもちゃっかり返済。株価もここ数ヶ月で2倍以上反発。

去年の金融危機の際、ヘンリー・ポールソン(元GSのCEO)が財務長官でなかったらと考えたら恐ろしい。大恐慌の際、ルーズベルトがジョー・ケネディを起用したのと同じ理屈。彼の素早い判断力と実行力には凄みがあった。

GSはトビっきり優秀な連中が集まり、法律で許される限度ギリギリで大もうけする天才集団。ミルケンやボースキ−等は、欲が理性を超えたから捕まった。陰謀説?ウォール・ストリートは陰謀だらけ。なにも今世紀に始まった話じゃない。




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