Thursday, May 10, 2012

EvolutionとDevolution

オバマの同性婚支持表明… 日曜日に副大統領バイデンが支持表明をしてから閣僚達が次々支持表明したもんだから、リベラル達がオバマに圧力をかけて私は心配だった。2008年には同性婚には反対だがシビル・ユニオン(同棲間の婚姻に類似した関係)はOKという立場であったが、それ以来オバマはゲイに関しては歴史の流れの中でEvolveしている言ってごまかしてきた。とはいえ、彼の政策は腰が重いという批判もあるが明らかにプロ・ゲイであった事は否定できない。

私は選挙が終わるまで、この点については留保して欲しかった。リスクが大きすぎると思った。私の脳みそはリスクとその軽減要因が常に箇条書きに現れる仕組みがある様で困ったものだ。ただ私は一つ計算違いをしていた。バランスシート的に考えるべきだった。

リスク(この場合負債と考えてもいい)は、勝敗を決めるスイング州のどちらかというと保守的な民主党支持者や敬虔なキリスト教徒の票を失う事(英語だとGod Fearingという表現が当てはまる)。黒人やヒスパニックにはホモフォビアが多いので嫌気して投票に来ないリスク。共和党のネガティブ 広告マシーンに新たなネタを与えてしまうリスク等。

そのリスクを軽減する要因(もしくは資産として)、リベラルのベースを興奮させる。ゲイ支援の金持ちからの寄付が増える。ゲイ対して寛容な40才以下の世代の支持を強化出来る。

それでも私はリスクの方が大きいと確信していた。ところが、私の計算違いは自分自身の反応を通じて気がついた。オバマのインタビューを見て頭を殴られた様な気がした。自分が如何に小さい人間であったか痛感したのだ。オバマは何かが吹っ切れた様な清々しい顔をしており、驚く程淡々とした口調だった。勿論緻密なリスクの計算をした結果の決断であったとしても「勇気あるなー」思ったのは私だけではない。感動して泣いた人も多い。オバマはこの表明をとおして「リーダーとしての資質」を上げた。これは「のれん代」である。のれん代が増えると純資産が増える。「勇気」というのれん代は寄付というキャッシュ・フロー効果を齎した。企業がリスクの多い買収を発表すると普通株価は下がるが、たまーに市場が好感して株価がぴょーんと上がる事もある…それと似ている。

みっちゃんはどうだろう。彼はDevolveしている。この自称成功した実業家は彼の親分の喜ぶ事ならなんでも言う。オバマの表明を受けて彼は同性婚とシビル・ユニオンには反対だという立場をハッキリさせた。彼は憲法を修正して「結婚を男女間に限定する」する憲法修正も支持だと言っている。ブッシュJr.より強い立場。最近ではゲイのストラテジストを辞めさせている。反面1994年に上院選に出馬した時、「わしはゲイ問題に関してはテッド・ケネディの左だ」と言ってのけた。彼が出馬したのは最も青いマサチューセッツという州だから。彼の本心はどうあれ、みっちゃんはゲイに関しての立場は時代の流れに逆行して退化しているのは事実である。

進化するリーダー、退化するリーダー…アメリカは何方を選ぶだろう。ここでオバマが負けたら歴史の汚点になると私は思っている。共和党を牛耳る長老達は「オバマという黒人大統領は単なる歴史的実験だった」とドヤ顔で言いたいのだと思う。

同性婚を認めるという事はゲイ云々という事を超えてもっと重要な意味がある。国民が皆同等の権利を与えられるべきという根本的な事。結婚という権利が認められていないゲイ・コミュニティ は事実上セカンド・クラスの市民という位置づけ。彼らは税金も払うし従軍もする。社会に於ける貢献度は誰とも違わないという当然の視点で同性婚を考えてみるべきだろう。

ノースカロライナでは「結婚は男女間のもの」という州憲法修正が通った。同性婚が認められる州が少しづつ増える一方、この様に退化の道を選ぶ州も増えている。このビデオはノースカロライナの45年も一緒にいるレズビアンのおばあちゃん達の話。


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