Saturday, May 2, 2009

オバマ vs. ヘッジ・ファンド

木曜日、クライスラーが破産申請を発表。アメリカ国民は、救済金を出しており債権者。またオバマは自動車業界再編チームをデトロイトに送っているという事もあり、オバマの記者会見が午後1時頃行われた。

オバマは、自分はクライスラーの社員、国民、アメリカの自動車産業の味方であり、欲につられたヘッジ・ファンドの味方はしないと断言。その途端、ダウが150も急落、例も”オバマ虐め”の典型。コメンテーターは大騒ぎ、オバマは反資本主義だと叫ぶ。

オバマのコメントに登場したヘッジ・ファンドは、ハゲタカファンド3社の事。クライスラーの債権を額面のおよそ30%で買い、担保であった不動産等を売却して(という事は、クライスラーを会社更生法に基づき再建するのではなく、清算しようという意図)15%程の利益を上げようと企んでいた。

10万人もの社員の職を奪い、退職した者のベネフィットを奪い、少しの儲をだそうというのは、確かに賛成できない。ヘッジファンドの一部が不良債権を安く買って、それをトレードしたり、強行な交渉をして儲けるというのは、昔からの商売である。ただ、これは投資ではなく投機。

オバマがここで、ハゲタカ・ファンドという表現をしていたら、恐らく反応も違っていたと思う。共和党系の連中には、一般市民もヘッジファンドを使って投資している。そのヘッジファンドを悪者呼ばわりするのは大問題らしい。

長期的視点に立つ投資家や市民が未だに株式市場に参入しないのも、ヘッジ・ファンドが市場操作しているという疑いが大きい事が一つの原因。ここで、ルーズベルト*がジョー・ケネディ(彼自身が株式市場を操作)を使って株式市場を一掃した様に、オバマが大胆な手法で悪玉ヘッジ・ファンドを追い出してくれたらと願う。

*ルーズベルト曰く”Takes one to catch one"。


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