ダライ・ラマのインタビューがCNNで放映。インタビューアーはファリード・ザカリア、外交系のジャーナリストとしては、一番シャープな人。
ファリードは鋭い質問をしてくれたお陰で、ダライ・ラマも普段よりエネルギッシュ。なんか健康そうで安心。彼にはもっと長生きしてもらいたいし...
F:チベットが世界に対して貢献出来る事は? 非暴力という観点から?
D:ビン・ラデンは子供の時から暴力的な考えをしていたわけじゃない。怒りや憎しみがやがて暴力という行動に追いやった。破壊的な感情に対しどう対処するかが問題。他人に対する思いやりが大切、世界は一つだという観念、相手の立場を尊重して対話することが、紛争を防ぐ。同時テロの直後、平和的解決を望むという手紙をブッシュに書いた。
(興味深いのは、性善説がちらっと顔を出した事。どうせ共和党の連中はファリードの番組なんか見ないだろうけど、クリスチャンにとって少し刺激が強いかも)
F:チベットのリーダーとして失敗したと言ったが、どういう事か?
D:まだ完全に失敗したと思いたく無いけど(笑)。自分たちが望むのは中国からの分離ではなく、自治。チベットのユニークな文化や言語を継承したいだけ。今の状態は、文化の虐殺。こんな状況になっている事は、自分の失敗。
F:中国政府との交渉の現状は?
D:中国は、現状で何も問題はないという視点に立ち、交渉は滞っている。自治権がかなえば、自分のダライ・ラマとしての権力は自治政府に返上する。中国だって将来は民主主義に傾くはず。今の中国による支配は、チベット人にとって死刑に値する。
ダライ・ラマは、自分は社会主義者、もしくは共産主義者的ではあるが(この発言は、刺激的)、全体主義には反対。偽善的で被民主市議な一党支配はとんでもない。
今年で74才。世界は驚く程速いペースでリベラル化している。世界中を味方につけて、若い世代を啓発して、彼がまだ元気なうちにチベット自治化が実現しそうな予感がする。