死後40年、未だに世界中の左翼系若者のアイドル。そういえば、我が家にも、大昔にもらったTシャツがあるなあ。彼の人気は、坂本龍馬的。革命のロマンチシズムに溢れる。
今週末、ソーダーバーグ監督の大作映画封切りになる。先日見たインタビューでは、ソーダーバーグは、ゲバラに関して知識は皆目無かったらしい。主演のデル・トロが企画を持って来た。キューバの革命後じっとしておれず(カストロとの関係も悪化)、コンゴに渡り革命の指導を試み(失敗)、ボリビアに渡りまたゲリラを組成という、彼の"革命”取り付かれた生き様に、興味を感じたらしい。
数年前、“モーターサイクル・ダイアリー”を見て感動した。彼が医学部在学中に、南米中をオートバイで駆け巡った旅行が映画化されたものである。ハンセン病患者や労働者等に出会い、彼の革命基盤や放浪癖も、この時代に形成されたのだろう。
ゲバラが来日した時(1959)の逸話が残っている。
キューバを工業国にしたかった彼は、日本企業の工場を精力的に訪問。閣僚とも軍服で会談。大阪に滞在した時、こっそり抜け出して夜行列車で広島に向かい、慰霊碑や病院を訪れた。
私も、色々と本やドキュメンタリーで等で彼の生涯に関して学んだ。一つ思った事は、カストロはゲバラをうまく利用したんじゃないだろうか? ゲバラのゲリラ戦術はキューバ革命以外は成功していない。カストロは、ゲバラのルックス、純粋さ、勤勉さを利用し、英雄に仕立て上げた。ところが、ゲバラのカリスマ性が先行、彼の言動(ソビエト批判)が次第に邪魔になる。マルコムXがイライジャ・ムハンマドから離脱した経緯と似ている。
最近見たドキュメンタリーでは、ボリビアでゲバラが殺害された後のビデオが出た。目が開いたままだではあったが、穏やかな顔をしていた。彼の死体を見物に来た近隣の人々は、彼の死相にキリストを見たと言った。キリスト教徒でない私でも、彼の死相は南米のキリスト像と酷似していると思った。皮肉な事に、彼は子供の頃からキリストを敵視していたらしい。
キューバにも新しい風が吹き始めている。フィデルを暫定的に継いだラウル・カストロ自身も高齢であり、後継者もまだ不明。ただ、キューバは中国との国交改善が急速に進んでおり(中国はキューバ沖の海底油田が目当て)、オバマの新しい政策が注目される。近々、対話が始まる予感がする。
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